大型犯罪組織の州都第一コマンド(PCC)のリーダー、マルコーラとほか21人のPCCの幹部らが13日、収監中の監獄から移送されたことが明らかとなった。昨年10月にマルコーラ脱獄未遂事件が起こっていたためと見られるが、PCCによる報復の恐れもあると13日付現地サイトが報じている。
移送は13日の午前中に空軍機で行なわれた。囚人たちはサンパウロ州のプレジデンテ・ヴェンセスラウとプレジデンテ・ベルナルデスの2つの刑務所に収監されていた。
この移送による転送先は完全には明らかにされてはいないが、一部の囚人たちはリオ・グランデ・ド・ノルテ州モッソーロ、ロンドニア州ポルト・ヴェーリョ、そしてブラジリアの連邦刑務所に連行されたと見られている。
この移転の期限は360日で、最初の60日間に関しては、それぞれの連邦刑務所の特別独房に入れられることになっている。
このPCC幹部移送に関し、ジョアン・ドリアサンパウロ州知事は記者会見を開き「もうサンパウロ州を犯罪の温床にはさせない」と強く言い切った。
サンパウロ州では、昨年10月にマルコーラのいたプレジデンテ・ヴェンセスラウ刑務所での脱獄計画が明らかになり、その時にも移送が話し合われたが意見がまとまらなかった経緯があった。
この移送は、セルジオ・モロ法相による、犯罪防止対策の第一弾にも位置づけられている。
ただひとつ懸念があるのは、2006年にマルコーラらPCCの犯罪者がプレジデンテ・ヴェンセスラウに移送された際、それを抗議するためのPCCによる破壊行為や犯罪が多発したことだ。このとき、合計で564人が殺害され、そのうちの505人までが一般市民だった。