【既報関連】「年金受給開始年齢は男性が65歳から、女性は62歳から、移行期間は男性が10年、女性は12年」との連邦政府の年金改革案骨子がようやく固まったと、15日付現地各紙が報じた。
先週パウロ・ゲデス経済相は「男女共に65歳」の私案を発表していた。しかし、発表当時は入院中だったボルソナロ大統領の退院後すぐに調整を行った結果、女性の年金受給開始年齢を3歳下げる事に同意した。
ゲデス経済相は「妥協を強いられた」とも取れるが、推定歳出削減効果は10年で1兆1千万レアルと、財政再建には十分な額が確保でき、「実利は確保した」格好だ。
「65/62」案の発表は、14日の午後5時過ぎにロジェリオ・マリーニョ社会保障・労働特別局長が行った。
同特別局長は、大統領は「65/60」案を望んでいて、移行期間ももっと長くする事を望んでいた事を明らかにし、詳細は20日予定の議会への正式提出時に明らかにされるとした。
20日にはボルソナロ大統領が国民に理解を呼びかける演説も行われる予定だ。なお、この演説は大統領お気に入りのレコルデ局独占中継になるか、またフェイスブックでの生動画配信になるのかは決まっていない。
年金改革案の議会提出前に改革案の内容が、法や憲法に抵触していないか確認する作業が必要なため、「提出前に若干の変更があるかもしれない」と、マリーニョ特別局長は補足した。
14日のブラジル株式相場は、マリーニョ局長が「65/62」案を発表する2時間前の午後3時ごろから急騰。9万5842ポイントで取引が開始された14日の相場は、午後3時まではほぼ横ばいだったが、事前予想より、踏み込んだ改革案をボルソナロ大統領も了承した事が関係者の間から漏れ始めると、急速に値を上げ、結局その日の終値は前日比2・27%アップの9万8015Pで終了した。
またその日の為替も前日比0・89%ドル安の1ドル=3・72レで終了した。