サンパウロ州では昨年、ほぼ36時間に1人の割合で、女性を狙った犯罪(フェミシジオ)で殺害事件が起きていたことがわかった。18日付現地紙が報じている。
州保安局のデータによると、州内で殺人事件(この場合、強盗殺人と故意の殺意が無かった場合は除く)によって亡くなった女性の数は2017年の569人から548人に減っている。
だが、殺害理由に「女性であること」が関係しているフェミシジオでの犠牲数は2016年が70人、17年が131人、18年が148人と増加傾向がある。
フェミシジオの増加同様に、「家庭内暴力での女性の死」も増えている。2017年には85人だった家庭内暴力での女性の死は、18年には112人に増えている。
保安局の殺人課の記録によると、過去3年でフェミシジオにより殺害された女性のうち、66%までが家庭内で殺害されている。
だが、専門家の意見によると、フェミシジオの数は、実際に報告されている数より、もっと多いはずだという。
州検察局で性犯罪関係のコーディネーターをつとめるヴァレーリア・スカランス氏によると、フェミシジオのほとんどが「交際していた女性からの別れ話を男性が受け入れられなかった場合や、交際女性への嫉妬心などから起こっている」とし、その犯罪手口も「被害者を何度も突き刺す」などの特徴が見られるという。捜査の際、証言などからこれらの要素が省かれていないか詳細に調査する必要があるとしている。暴力被害にあった女性たちに告発する勇気を教育することも、フェミシジオの防止には不可欠だという。