自動車会社フォード(本社・米国)は19日サンパウロ市大都市圏、サンベルナルド・ド・カンポ市(サンベルナルド)のトラック、乗用車工場を年内に閉鎖すると発表、約3千人の労働者の大部分が職を失うことになったと、19、20日付ブラジル各紙・サイトが報じた。
これはフォード社の世界戦略の一環で、南米トラック市場からの撤退を意味している。現在サンベルナルド工場は、トラックは最大生産能力の19%、乗用車が12%しか発揮されていない。
工場閉鎖により、約3千人の直接雇用者だけでなく、間接雇用者や、部品工場の労働者なども含め2万4千人に影響が出ると、地元労組と労組系統計機関Dieeseは見ている。また、サンベルナルド市役所は、2千世帯に影響が出るとも計算している。
同社は、人員整理の詳細や、解雇者への補償の有無は明らかにしなかったが、フォードラテンアメリカのライル・ワッタース社長は「工場閉鎖は地元雇用に大きな影響を及ぼす事を認識している。だからこそ、今後に関しては、組合や、自治体などと話し合って決定していく」と述べた。
フォードは、バイーア州カマサリ市の自動車工場、サンパウロ州タウバテ市のモーター工場は閉鎖せず、これまで通り生産を続けるとした。
19日夜に開かれた社長との会合直後、フォードの労組は、工場閉鎖に反対して即刻のスト入りを決めた。労組幹部のジョゼ・アンシエタ氏は、「全ての手段を講じて工場閉鎖の撤回のために戦う」と語っている。