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「娘がお世話になりました」=皇后陛下の気配りに感激

山内さん

山内さん

 97年の両陛下ご来伯でご案内役を務めた文協元会長の山内淳さん(87、二世)は、皇后陛下の細やかなお気遣いに深い感銘を受けたという。
 イタマラチー宮(ブラジル外務省)でご接見を受けた時のこと。皇后陛下が「娘がお世話になりました」とお言葉をかけられた。山内さんは「何のことかピンと来ずに目を回した」と笑う。だが、よくよく考えてみると思い当たる節があった。
 娘とは、清子内親王殿下のこと。前年の96年に日伯修好百数年で来られた殿下が帰路に立たれるグアルーリョス空港で、飛行機が一時間以上遅れるというハプニングがあった。その時、お見送りに同行し、お話の相手を務めたのが山内元会長だった。
「高貴なお方と何をお話ししたらよいか。おどおどしてしまったけど、ブラジルのピアーダ(冗談)を話したら、笑っておられた」とか。おそらく殿下は帰国後に、その楽しい思い出を両陛下にお話しされていたのであろう。
「両陛下がご着聖された際、飛行場には雨のなか大勢の人が待っていた。翌日、皇后陛下とお話をした際に『雨のなかを大勢の人が待って歓迎して下さったけれど、風邪を引かれなかったかしら』と案じておられた」とか。皇后陛下の思いやりが感じられる逸話だ。