【既報関連】1月25日に発生したミナス州ブルマジーニョの鉱滓ダム決壊事故から1カ月が過ぎたが、今もなお、行方不明者131人の捜索が続いていると25日付現地紙サイトが報じた。
Vale社の鉱山で起きたダム決壊事故は、24日までに確認された死者が179人、行方不明者は131人で、世界有数の人的被害を伴う事故となった。同地域では、約80人が避難所生活を余儀なくされている。
救出作業第1段階はすべて手作業で、5日目には州内外からの兵士や消防士486人が救出作業に当たったが、重金属や水分を含む汚泥のため、作業は困難を極めた。第2段階では犬の助けがより必要とされ、その数は17匹に達したが、第3段階は重機類を使った捜索中心で、26日目の場合、消防士ら181人と犬4匹、42台の重機類が作業に当たった。
捜索活動がいつまで続くかは未定だが、先日は管理棟付近で遺体が見つかり、その周辺での捜索に重点が移るなど、毎朝、毎夕、作業計画と報告のためのミーティングが開かれている。
また、24日には、ブルマジーニョとベロ・オリゾンテで、死者を追悼し、責任追及を求める集会も開かれた。
国家鉱業庁(ANM)はダム決壊後、Valeの子会社のサマルコが所有していたマリアナやブルマジーニョの鉱山で決壊事故を起こした「積み上げ式」ダムを、2021年までに廃止する事を決め、18日付官報に掲載した。
ただ、同方式のダム廃止には、ダム内の鉱滓を取り除いて再利用しながら、堤を壊していく方法と、鉱滓はそのままにして、ダム全体を植物などで覆う方法があるが、最初の方法は、鉱滓を取り出すために水を加える事で堤にかかる圧力が増して、堤が決壊する危険性をはらんでいる。
ブルマジーニョのダムは鉱滓の再利用許可を得ており、決壊事故直前に圧力計に異常が見られたのが、鉱滓を取り出し易くするための水注入や、ダム近辺の水源からの水流入などが起きていたためかは定かではない。
また、ミナス州政府は24日、重金属類を含む鉱滓で汚染されたパラオペバ川の水の利用禁止区域を拡大。浄化してない水は、いかなる用途でも使用が禁じられている。
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