アマゾナス日系商工会議所元会頭でマナウス在住の川田敏之さんが、胸膜炎により23日に逝去した。享年88。
長崎県出身。59年6月にアクレ州キナリー植民地入植した。63年にトレーゼ・デ・セテンブロ植民地に移転し、その後、マナウスで野菜や果物の卸で生計を立てた。
87年設立されたアマゾナス日系商工会議所の立上げメンバーで、92年6月から95年6月まで会頭を務めたほか、西部アマゾン日系協会でも相談役を務めるなどしていた。
06年には、川田さんが執筆した自分史『遠い日々の奥アマゾン』が、日本自分史学会主催「第九回私の物語・日本自分史大賞」の国際賞に選ばれていた。
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マナウスの川田敏之さんが亡くなった。自分史『遠い日々の奥アマゾン』が06年、日本自分史学会主催「第九回私の物語・日本自分史大賞」の国際賞に選ばれ、ニッケイ新聞でも掲載したので憶えている読者もいるのでは。本紙2010年1月1日号で川田流「ガラピン健康法」を披露してくれた。これはガラナをピンガに漬け込んだもの。川田さんが“研究 ”を重ねた末に編み出した作り方は次のとおり。アルコール度数が強め39~40度のピンガ1本と、ガラナの乾燥実を用意する。次に皮を剥いたガラナを12~15粒放り込む。後は半年以上寝かせてじっくりエキスが出るのを待つだけ。「ピラルクーの刺身をつまみながらの一杯は格別」だとのこと。日本で大賞を獲得した自分史も、これを一杯やりながら書いたという。今頃天国で懐かしい親友に再会し、ガラピンでさっそく乾杯しているかも。