ジェツーリオ・ヴァルガス財団(FGV)のブラジル経済研究所(Ibre)が、2018年第4四半期の一人当たりの世帯所得のジニ係数は0・6259だったと発表したと、26日付現地紙が報じた。
ジニ係数は所得格差を測る指数だ。この指数は0~1で表され、1に近いほど格差は大きい。
昨年第4四半期の結果(0・6259)は、第3四半期の0・6156より0・0103ポイント増え、16四半期連続の前期比増となった。
ジニ係数の計測は、地理統計院(IBGE)が全国家庭サンプル調査(Pnad)を始めた2012年第1四半期から始まった。
Ibre所属調査員のダニエル・ドゥッケ氏によると、ジニ係数の増大(=所得格差拡大)の背景には、学歴や希少性のある技能を持たない労働者が収入を上げる事が困難な実情と、法定最低賃金の調整幅が小さいことがあると指摘する。
投資顧問会社テンデンシアス社のアナリスト、チアゴ・シャヴィエル氏は、「所得格差を減らすためには、労働市場の活性化が必要だ。正規雇用を増やし、平均給与が高く、フルタイムの職に就く人を増やさなくてはいけない」と語る。
ブラジル紙は、元銀行員の男性と、販売員や美容師として働いていた女性が共同でジュースの屋台を営業している様子を紹介。女性は「今は職を見つけるのが大変」とし、男性は「涼しくなったら売り上げが心配」と語る。利益は月4~5千レアル(12~15万円相当)程度で、それを2人で分けているという。
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