セルジオ・モロ法相は2月28日、ボルソナロ大統領の支持者の強い反対を受け、2月22日に刑事・刑務所政策審議会の代替委員に選んだイローナ・スザボー・デ・カルヴァーリョ氏の指名を断念した。1日付現地紙が報じている。
スザボー氏はスイスのウプサラ大学で治安政策に関する博士号を取った才媛だ。治安や司法などに関する調査を行う団体「イガラペー」の共同設立者で、現在は理事長を務めている。
いわば、その道に関してはかなり専門的な知識を持った人物だが、ボルソナロ大統領の支持者がネット上で激しく抗議運動を行った。
それは、スザボー氏がかねてより、大統領が展開している銃規制緩和に反対の立場を取っていたことや、大統領が敵対視しているフォーリャ紙のコラムニストを務めていることで、支持者たちが「敵を連邦政府側につけることになる」との拒絶反応を示したためだ。
モロ法相は声明の中で、こうした強い反対が指名取消につながったことを正式に認めた。だが、その一方で、「治安の専門家としての知名度とイガラペーでの仕事の実績を考慮した上での指名だった」とし、自身の選択を正当化した。