2016年にブラジル連邦政府は、各州政府(便宜上、首都ブラジリアがある連邦直轄区も州扱いとする。以下同)を対象に、負債の取立て猶予策を講じたが、全27州中14の州政府が、2015年末から18年末にかけて財政状況が悪化したと、6日付現地紙が報じた。
州政府の財政状況改善の目的で16年に取られた策は、「2年に及ぶ取立て免除」「分割返済額の小額化」などだ。
しかし、国庫庁が開示したデータによると、14州が「純収入と負債総額の比率」もしくは、「純収入と人件費の比率(年金支払いを含む)」の状況が悪化していた。
財政責任法では、「負債総額は純収入の2倍を超えてはいけない」事になっており、人件費も、「純収入の49%を超えてはいけない」と定められている。
財政状況が悪化した14州は、サンパウロ、ミナス・ジェライス、アラゴアス、アマゾナス、マラニョン、マット・グロッソ、ペルナンブッコ、ピアウイ、リオ、ロライマ、サンタカタリーナ、トカンチンス、バイーア、連邦直轄区だ。マット・グロッソ・ド・スル州と、1月2日に財政非常事態宣言を出したリオ・グランデ・ド・ノルテ州は、データの一部が欠けており、比較できなかった。最も財政状況の悪いリオ・グランデ・ド・スル州は、2項目とも若干改善したものの、負債総額は純収入の2倍を超えたままだ。
経済政策スタッフは、財政悪化の最大の要因は負債ではなく、公務員の給与と年金の支払いであると分析している。
連邦政府は、州政府への援助策を用意しているが、その援助を受けるためには州政府の多大な自助努力が条件となると、連邦政府経済スタッフは語っている。