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惨事や人ごみを悪用する輩達

サルバドールのアラスタンをリードした歌手の一人、レオ・サンターナ(中央)(7日付G1サイトの記事の一部)

サルバドールのアラスタンをリードした歌手の一人、レオ・サンターナ(中央)(7日付G1サイトの記事の一部)

 サンパウロ市やリオ市でのスペシャルグループのサンバパレードは終わっても、ブロッコと呼ばれる集団による路上でのパレードはまだまだ続く▼「灰の水曜日」の6日にサルバドールで「アラスタン」と聞いた時、一瞬、根こそぎ強盗発生かと思ってしまったのは、ブロッコに参加した人達が軒並み携帯電話などを盗まれたとの報道に触れていたせいだ。実際には、サルバドールでのカーニバルの公式イベントの締めくくりに、歌手達を乗せた車と共に市民が一斉に繰り出して、街中を練り歩くものの事だった。ブロッコの人ごみに乗じたスリや強盗が暗躍せぬよう願うと共に、カーニバル直前に流れた、人の心の闇の部分をさらけ出す報道を思い出した▼それは、ミナス州ブルマジーニョの鉱滓ダム決壊事故に関するもので、「事故直前に現地に向かった兄弟と連絡が取れない、事故に巻き込まれたに違いない」といって、賠償金を受け取ろうとした人達が逮捕されたというニュースだ。2月には、妻と娘が行方不明だと偽り、Vale社から10万レアルの寄付を騙し取ろうとした人がいたが、登録前に逮捕された。今回の件は、行方不明者リストに一時的に兄弟の名前が掲載されたという▼どちらのケースも犯人は前科のある人物だったが、遺族を装って金をせしめようとする行為は余りにもさもしい。懸命に救出作業を行う人々や、本当に家族や知人を失ったり探したりしている人々の神経を逆なでするような詐欺と、カーニバルで街頭に出た人々を狙うスリや強盗。直接の関係こそないが、人々の心が他の事に集中している状況を利用した犯罪は後を絶たないと、改めて思わされる出来事だった。(み)

アラスタンの様子を報道するテレビのニュース(http://g1.globo.com/bahia/bahia-agora/videos/t/edicoes/v/ultimos-momentos-folioes-aproveitam-o-arrastao-desta-quarta-feira-6-de-cinzas/7433592/