若手日系人の連携強化を目的とした集いが2月22日夜、モルンビー区の在聖総領事公邸で催された。ノロエステなど奥地をふくめサンパウロ州各地から約50人が集って親睦を深めた。ブラジル日本青年会議所(JCI)の村上パトリシア前会頭、リンス西本願寺の安永修副総代が講演で日系社会の将来を語ったほか、今注目の若手日系政治家、キム・カタギリ連邦下議(PFL)の特別講演で盛り上がりを見せた。
集いを主催した在聖総領事館の野口泰総領事は昨年、村上前会頭の下で発足した日系社会の未来を見据えた活性化事業『110+10』に言及。「これにより益々若者が参加し、若手日系団体の結束強化という目的の達成に繋がる」と期待を込め、「この機会を充分に活用して」と話した。
『110+10』は、関口ひとみ前首席領事の提言を受けて発足。昨年には、州内各地の日系団体の催事でワークショップを行ったほか、11月には日系団体と関りのない日系人を集めたイベントをJHで開催。若手の意識調査などを実施してきた。
村上前会頭は「どのように若手日系人の結束を高め、活動を継続させていくかが課題」とし、「日系社会の将来に肯定的な見方が根強いのは喜ばしい」と総括。「今後の鍵は、催事の広報に力を入れること。より参加者が増え、さらに結束が強くなる」と見通した。
プロミッソン在住の安永副総代は、同地入植百周年記念祭典を通じた地域活性化の事例について紹介。「当初は、本当に祭典ができるのかと懐疑的な声が強かった。小さな町で、資金集めも限度があり、大きな壁があった」と振返る。だが「様々な企業や日系団体が協力してくれ、成功できた。世代の垣根を越えた団結により、我々のルーツの重要性を認識すると共に、次世代に繋いでゆくための動機が生まれた」と重要性を強調した。
同地には勝負抗争で分かれたままの二団体が並存しており、祭典を機に統合に向けて歩みだしたものの実現には至っていない。安永副総代は「役員の世代交代も少しずつ進んでいる。若手を巻き込み、活性化を図りたい」とした。
最後に、カタギリ下議が登壇。政治家になるまでの経緯について巧みな話術で語り、会場はどっと盛り上がりを見せた。