ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団経済研究所(FVG/Ibre)は、18年の1労働時間あたりの生産は17年比0%変動だったと発表したと、11日付現地紙が報じた。
ブラジルの労働生産性は、14~16年の3年連続で前年比ダウンを記録した。17年は1%向上したが、18年も続けての改善はならなかった。
Ibreの調査員フェルナンド・ヴェローゾ氏は、「17、18年のGDP成長率は1・1%で同じだが、18年の生産性は、17年よりむしろ落ちた」と言う。
非正規雇用の労働者が中心となる部門の生産性は、正規雇用の労働者を擁する産業部門の4分の1と、ヴェローゾ氏は指摘。景気回復の遅れに伴う非正規雇用増大と正規雇用の頭打ちが、生産性が上がらない原因と見ている。
現状の労働生産性は12年と同等レベルで、14年の第一4半期に記録した最高値と比較すると、2・7%低い。
労働生産性を分野別に見ると、サービス業がマイナス0・6%と5年連続で低下。農牧畜部門は1・1%、工業部門は1・3%向上した。
応用経済調査院(Ipea)のジョゼ・ソウザ・ジュニオル氏は、「短期的な生産性向上には技術投資を行えばよいが、中長期的に伸ばすには、道路や鉄道などの基本インフラへの投資が不可欠」と語っている。