ブラジル北部ロンドニア州カンデイアス・ド・ジャマリ市で17日、離縁手続き中の妻に暴行して16日に逮捕されたものの、4千レアルを払って保釈された男性が、女性の実家に侵入し、女性を撲殺するという事件が起きた。
警察によると、殺害されたのはポルト・ヴェーリョ市の公立校教師のジョゼリタ・フェリックス・ダ・シウヴァ氏(47)だ。
ウエリントン・アパレシド容疑者は、ジョゼリタ氏に暴行を加えたとして、事件前日の16日にポルト・ヴェーリョ市で逮捕された。
だが、通常の暴行行為は、保釈金さえ払えば自由の身で裁判を待つ事が出来る。ウエリントン被告の場合、犯罪を繰り返す可能性もありとして、家庭内暴力と傷害罪としてはやや高めの4千レアルの保釈金を命じられたが、本人が保釈金を払ったため、保釈された。
ウエリントン容疑者は翌日、ジョゼリタ氏の実家に侵入。頭部などを木材で殴られたジョゼリタ氏は即死。娘を助けようとして、容疑者にすがりついた父親のフランシスコ・フェリックス氏(75)も負傷し、救急車で病院に運ばれた。
ウエリントン容疑者は逃げたが、近所の人の通報で駆けつけた警察に逮捕された。今回は女性殺人に当たるため、保釈はない。
ジョゼリタ氏は2カ月前にウエリントン容疑者と離縁するための手続きを始めており、それを不服とする容疑者が復縁を求めたが、拒否されて、犯行に及んだようだ。
ジョゼリタ氏の通夜はは17日に行われ、18日朝、埋葬された。父親のフランシスコ氏はまだ入院中で参列できなかったが、葬儀には友人や教師仲間、生徒、父兄らが多数参加。生徒の一人はジョゼリタ氏を称え、17日に、「いつも生徒達を動機付けてくれる教師だった」とネットに投稿した。
葬儀にも参列したポルト・ヴェーリョ市教育局長のセーザル・リコリオ氏は、ジョゼリタ氏を「いつまでも粘り強く戦い抜く人だった」と称える一方、同州は女性への暴行発生率が全国で5番目に多く、強姦事件の発生率では3番目という現状が、今回の事件も許したと嘆いた。ポルト・ヴェーリョ市長のイウドン・シャヴェス氏も18日、ジョゼリタ氏を追悼する文を投稿した。(17、18日付G1サイトより)