ジェネラル・モーターズ(GM)ラテンアメリカ法人のカルロス・ザルレンガ社長が19日、2020~24年に100億レアルの投資を行うとの意向を表明したと19、20日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
投資計画はサンパウロ州庁舎で発表され、ジョアン・ドリア同州知事らも同席した。今回の投資計画は、ドリア知事が8日に発表した自動車業界振興策(IncentivAuto)の適用第1号となる。
この振興策は、投資額や新たな雇用の規模に応じ、商品サービス税(ICMS)を最大25%減税するというものだ。ドリア知事らは、GMがサンパウロ州のサンカエタノ・ド・スル(SCS)工場とサンジョゼ・ドス・カンポス(SJC)工場の閉鎖を発表したのを受け、60日間の猶予を請い、米国にあるGM本社の方針を変更させうる政策を模索していた。
エンリケ・メイレレス財務局長を米国に派遣したりしてまとめた振興策は、雇用拡大や新型車の製造、工場新設や施設拡大などを条件に、ICMSに税クレジットを付与するもので、ICMSは2・5~25%の減額となる。この恩典は、投資対象の車が製造・販売された時点で付与される。
GM側はこの振興策を受け入れ、2工場の閉鎖を停止。大規模投資を行い、二つの工場で各々、新たな型の車の製造を行う事や、SCS工場の従業員9千人とSJC工場の従業員4400人の雇用を維持すると共に、直接雇用者を400人、間接雇用者を800人増やす事を約束し、ICMS25%減額の恩典を受ける資格を得た。
GMに対する恩典は州政府からのものだけではない。SCS市は、土地家屋税(IPTU)の免税、サービス税(ISS)や水道料金などの減額で総額1250万レアルの減免税措置を発表。SJC市も、IPTU免税やISS減税などを行う意向だ。
また、GM自身は新規採用者の給与減額や今年の給与調整ゼロなどの経費削減策を採用。販売店や部品会社も、車両価格を引き下げ、販売を伸ばすという目的のために、マージン停止や部品価格の調整停止といった措置に合意した。
サンパウロ州側は、大型の減免税措置によって雇用や生産が確保され、経済活動が活性化すれば、販売や消費も含めた諸方面での収益が増えるから、充分、元が取れると見ている。