サンパウロ大都市圏スザノ市で起きた州立校銃乱射事件から1週間が経ち、20日には初七日のミサも行われた▼17歳と25歳の元在校生が、彼らも含めて10人の死者と11人の負傷者を出した事件だ。その後は、葬儀の様子や授業再開に向けた準備などの報道と共に、約1年半かけた準備段階に関与した別の元在校生が校内での銃乱射計画を匂わせる発言をしていた事、今回の事件の実行者らを称える言葉がインターネットの秘密サイトの掲示板に書き込まれた事などが報じられた。だが、秘密サイトには警察の手が余り及んでいない点は気がかりだ▼他方、この事件後は類似の事件が続く傾向も見られた。15、18日に起きたニュージーランドのモスクでの銃乱射やオランダの路面電車での銃乱射に、「またか」と思った人は多かったのではなかろうか▼だが、ブラジルとニュージーランドでは、事件後の反応にかなり差が見られた。米国のトランプ大統領の発言などの影響か、ブラジルでは「教師に銃を持たせろ」との発言が出、銃製造工場の建設を認める法案も提出された。一方、ニュージーランドでは、犯人が合法的に入手した火器5丁を所持していた事を受け、銃規制法の見直しが叫ばれ、銃を自主的に返却する動きも出ている▼身近に銃があれば誤った使い方をする人が出てくる可能性は大きいし、死傷者の数も増え易い。果物ナイフ程度の刃物も凶器となるが、被害に巻き込まれる人の数は少ない。持たせない=危険ゼロではないが、銃の所持や携行を認めるならば、秘密サイトのチェックや、精神面の健康や人間関係のトラブルに留意し、対話を促すといった対策強化も考慮すべきだと思うのだが…。(み)