訪米後の20日に軍人関係の社会保障制度改革案を提出し終えたボルソナロ大統領が、22日に開催される南米諸国首脳会談に出席するため、21日にチリに飛ぶと、20、21日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
22日開催の南米首脳会談には、ブラジルやアルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビア、パラグアイ、エクアドルの各国首脳が出席する。この会議では、アンデス共同体やメルコスルの加盟国を中心に創設されたが、現在は機能していない南米諸国連合(ウナスル)に代わる組織として、プロスルと称する組織を立ち上げる事が議題となる。
エルネスト・アラウージョ外相が20日に語ったところによると、プロスルには、今回の会議に出席する7カ国と、ウルグアイ、コスタリカ、ニカラグア、パナマ、ドミニカの計12カ国が参加する予定だ。ウナスルは左派政権を中心に設立されたが、プロスルは保守派中心のため、ベネズエラのマドゥーロ政権をより孤立化させる事に繋がるとも見られている。
この日は、チリの報道機関によるインタビューも予定されている。
翌23日は、チリの企業家連合の一つが主催する、約20人の企業家との会合に出席後、セバスティアン・ピニェラ大統領との首脳会談に臨む。
ボルソナロ大統領としては、企業家との会合やピニェラ大統領との首脳会談で、2018年末に署名された二国間の自由貿易協約の実行、ブラジルへの外国直接投資拡大などの成果を望んでいる。
首脳会談では、チリの社会保障制度をモデルとした、ブラジルの社会保障制度改革についても話し合われるようだ。チリの社会保障制度は、ピニェラ大統領の兄弟のホセ・ピニェラ氏が社会保障・労働相だった1980年代に確立した。
チリはブラジルにとり、南米では第2の規模の貿易相手国だ。昨年のブラジルからの輸出は20%増えて100億ドルに達し、貿易全体(輸出入総額)も15%増を記録した。
外国投資を見ると、ブラジルはチリにとって最大の投資対象国だ。同国からの外国直接投資残高は350億ドルを超え、ブラジルからの投資残高は45億ドルに達している。投資残高の総額は、アルゼンチンとの間の残高を400億ドル上回っている。