「こんにちは、私はベッチーナ、22歳。142万レアル(4200万円相当)の資産を持っているわ。みんなが『そんなに若くして142万レアルも持っているなんて普通じゃない』っていうけど、その秘訣は株なの。遺産を相続したわけでも、宝くじに当たったわけでもないわ。3年前、19歳の時に1520レアルで株式投資を始めただけなの…」ブラジルでは12日から、このように煽り立てるYouTubeCMが頻繁に流れ始めた。
このCMを流したのは、証券会社エンピリクス。見目麗しい女性が語りかけるCMにつられ、同社への口座開設申し込みは殺到したが、同時に「そんなの嘘に決まっている」「彼女は実在しないんじゃないか」などの反応も、ツイッターを中心に巻き起こった。
エンピリクスはそれに対抗し、彼女を再びCMに登場させた。新たなCMでの彼女は、批判する書き込みが読み上げられる中、じっと黙っているが、批判が途切れると、挑発的な目つきで「私はベッチーナ。自分独りの力で、3年間で100万レアル以上手に入れたわ。詳細はこちらのリンク」とやり返したのだ。
ベッチーナ・ルドルフ氏はエンピリクス社の社員で、騒動の最中も新聞やラジオの取材を受け、TVのトーク番組にも出ているが、「1520レアルから始めた投資だけで142万レアルの資産を作ったとは言ってない」「父親の援助もあった」などと、ことの真偽をはぐらかしている。
騒動が大きくなる中、遂にサンパウロ州の消費者センター(Procom)は19日、エンピリクスに対してCMの内容は本当である事を証明するように勧告した。また国家広告審議会(Conar)もエンピリクス社への法的措置を検討している。(15、19日付のサイト、コレイオ・ブラジリエンセより)