昨月22日に行われたブラジル日本商工会議所(土屋信司会頭)の定例昼食会で、キム・カタギリ連邦下議が日系企業を中心とした会員らの前で「2019―ブラジル国会におけるチャレンジ」と題した講演を行った。
カタギリ下議は、今の最重要課題が「年金改革」であるとし、「3千億レアルの赤字解消が経済発展には不可欠」と強調。妥協してでも憲法改正を可決させ、次に経済改革等の問題を解決していく考えを述べた。
また、日本政府との関係を築き、農業支援要請やブラジル牛肉の輸出を可能にしていきたい等と語った。これらを短期間で可能にしていく他に、カタギリ下議は「4年以内に日本語を学ぶ」と日系企業に向けて誓った。
質問では、日本におけるブラジルの優先順位の低さが指摘されたことに対し、カタギリ下議は「山田大使に治安維持・教育支援の依頼をしており、快い返事を得た」と回答した。また、ある会員から「私は貴方を全力で応援する」と激励されると、謝辞を述べつつ「ブラジルにおける日本文化、日系社会への信頼は絶大。選挙運動中にもそう応援され、誇りに思った」と語った。
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キム・カタギリ下議は商議所昼食会での「日本の教育を導入することが、ブラジルが成長する方法だ」という意見に対し、財政改革で資金調達ができた後に義務教育を改善していきたいと述べた。ブラジルでは大学教育の向上に努めている一方で、義務教育に対する投資が少ない現状を省みた発言。「ブラジルの治安を良くするために、義務教育の改善が先決」と強調した。確かに、大学に進学できる層を支援し続けるだけでは、現状の悪化した治安は変わらないだろう。しかし難航している年金改革、汚職防止法、財政改革の後とすれば、実現するのは何年後?