パラー州で2月23日に新たな麻疹(はしか)の症例が確認されたことで、ブラジルの麻疹根絶認証が取り消される事になったと20日付現地紙などが報じた。
この情報は、ブラジル保健省により、19日に確認された。ブラジルは2016年に汎米(パン・アメリカン)保健機構から、麻疹根絶達成国の認証を受けていたが、今年2月23日の発症確認で、麻疹の発症が1年以上続いてしまった。
ブラジルでは、数年にわたり麻疹の発症が抑えられてきたが、予防接種率の低下が再流行の発生を許した。2018年2月には、隣国ベネズエラからの難民が急増していたロライマ州で、国内で2年ぶりの患者が確認され、その後2018年末までに、国内全10州と連邦直轄区で1万326人の患者が確認された。
患者発生が最も多かったのは9803人のアマゾナス州で、以下、ロライマ州(361人)、パラー州(79人)、リオ・グランデ・ド・スル州(46人)、リオ州(20)などと続く。
ブラジル保健省は、「7州と連邦直轄区での発症は抑えられた」としている。しかし、件数の多いアマゾナス、ロライマ、パラーの3州での発症は続いており、今年に入ってからも、28件が確認された。
保健省は、麻疹根絶認定を回復するために、麻疹の予防ワクチン接種を推進する対策集を19日に発表。中には、「学校入学時や軍入隊時にワクチンを接種しているかを確認する事を義務付ける」ための法案の提出も含まれている。
また、連邦政府も、予防接種所の稼働時間拡大のために各州や各市に対する援助を行うことや、生活扶助受給者への指導強化を検討している。