昨年2018年の、ブラジル各世帯の総収入の4割は、「正規雇用ではない職の給与」と、「年金や各種恩給」が占めていた事がわかった。24日付現地紙が報じている。データは英国系コンサル会社カンター・ワールドパネル(K)社の調査によるものだ。
K社は毎週、ブラジル国内全1万1千世帯を訪問調査している。また、同社は年に一回、「食費」「医療費」「住居費」「交通費」などの基本的出費を賄うための金は、どんなタイプによる収入かも調べている。
17年から18年にかけてブラジル経済は若干回復した。しかし、失業率は高止まりしている。2年以上に及んだ長期の景気後退が始まる前の2014年は、「正規雇用職の給与」が世帯収入全体に占める比率は63%だったが、2018年は56%に減った。
南部や南東部に比べて経済発展の遅れている北部や北東部では、「正規雇用職の給与」は47%で、「正規雇用でない職の給与、年金、各種恩給の合計」は49%と、両者の比率が逆転した。
また、南東部ではあるが、州財政が危機的状況にあるリオ州のリオ大都市圏は、「正規雇用ではない職の給与、年金、各種恩給の合計」が世帯収入の半分を超えた。
K社の調査ではまた、3年連続で、基本的出費の平均が各家計の平均収入を2%ほど上回ったことも判明した。
18年の平均基本出費は月額3241レアルで、平均収入は3173レアルだった。
K社の調査責任者ジョヴァンナ・フィッシャー氏は、「世帯収入回復を示す指標は出ていない」と語っている。