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《サンパウロ》求人イベントに応募者殺到=行列で待ちながら、水を売る人まで登場

求職の列でも水を売るジャクソンさんを紹介する地元メディア

 サンパウロ市と労働組合が合同開催する、求職者に雇用を紹介するマッチングサービスが26日に始まり、同日朝だけで1万5千人(主催者発表)の求職者が、市内中心部のヴァーレ・ド・アニャンガバウーに大行列を作った。

 今回のマッチングサービスに参加している企業は合計30社。募集している人材は、テレフォンマーケティングスタッフや小売店のレジ係、接客スタッフなど、計6千人分だ。 マッチングサービスは29日まで行われるが、4日間分の整理券は26日に配られるため、前日から泊り込んだり、早朝に家を出たりした人が長蛇の列を作った。

 求職者の面接は、29日までの4日間、午前8時から午後5時まで行われる。面接はサンパウロ市フォルモーザ街99番の商業関係労組ビルで行われ、身分証明書と納税者番号、労働手帳、履歴書を持参すればよい。 主催者側の労組によると、26日に面接を行う700人分の整理券は、10時までなくなった。それ以上の番号の人は、27~29日に面接を受けることになる サンパウロ市経済開発労務局の職員によると、「今回の合同求職イベントの目的は、不況に苦しむ市民に労働市場に復帰するチャンスを提供すること」だという。市役所側は、テレフォンマーケティングスタッフとレジ係はそれぞれ合計1千人以上の求人があり、職を得るチャンスが最も大きいとしている。

 26日の朝4時半から列に並び、整理券を手に入れたジャクソン・シルヴァさん(26)は、整理券の配布や面談を待つ間も、行列に並ぶ人々に水を売り、昼食代を稼ごうとしていた。

 「どんな状況でも、機転を利かせればチャンスを作り出せるのさ。生きていくには信仰心とガッツが必要ってことだよ」と語った。

 イベントを主催した一般労働者組合(UGT)会長のリカルド・パター氏によると、今回の求人の平均給与は月額1500レアル(約4万5千円)だが、5千レアルから6千レアルの条件の職もあるという。(26日付アジェンシア・ブラジル、G1サイトより)