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ベネズエラ=体制派が国会を包囲し暴行=グアイド氏の車に爆発物も

ロシア軍派遣は違憲と批判するグアイド暫定大統領(26日付G1サイトの記事の一部)

 政治的、経済的、人道的な危機が続くベネズエラで26日、体制派の民兵や国家警備隊が国会を包囲し、議員らを約3時間軟禁状態にした上、報道陣にも暴行。グアイド氏が乗る車には爆発物も投げつけられたと26、27日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。

 野党議員が中心となる国会は、暫定大統領のフアン・グアイド氏が議長を務めており、24日に到着したロシア機と同国軍兵士についても、他国からの兵士派遣は国会の承認を必要としており、違憲と反発している。

 同日の審議の内容は明らかにされていないが、午後の審議が終わる頃、体制派の民兵や国家警備隊の兵士が国会を包囲して出口を封鎖。一部の兵士らが建物に中に入り込んだりして議員や報道関係者を軟禁状態に置いた上、議員や報道関係者の車の窓ガラスを割る、報道機材や携帯電話を奪うなどの暴行も働いた。

 また、軟禁状態を解かれて戸外に出てから暴行された報道関係者もいたという。

 米国のマイク・ポンペオ国務長官は26日、グアイド氏の車への襲撃や国会議員、報道関係者への暴行を、「ニコラス・マドゥーロ氏による、武力を使った不法な挑発」と強く批判。米国外交筋も、「民主的手段によって選ばれた国会を守る事は治安担当者の責任」との見解を表明した。

 TVベネズエラ・ノチシアスは、国会での審議を終えて外に出ようとした人物(グアイド氏か他の議員かは不明)の乗る車に何かを投げつけ、扉を開けようとする様子を映した映像や、爆発物で損傷を受けた車の外装の写真などを流している。

 マドゥーロ氏は国会襲撃については口を閉ざしているが、25日午後に発生した広域停電(23州中20州で被害)に関しては、テロリストによるサイバー攻撃と火災が原因と発表し、グアイド氏や米国の責任との見解を表明した。

 グアイド氏は、広域停電は変電所への電力超過が原因で、停電によってインターネットが使えない事に乗じたマドゥーロ氏が偽情報を流していると批判している。今回の停電でも、水道や地下鉄が止まる、人工透析などが受けられないといった苦情が殺到している。

 7~14日の広域停電の被害は10億ドルとされ、同国経済に一層の損害を与えている。