
16年11月末に起きた、サンタカタリーナのサッカーチーム、シャペコエンセの選手や監督などを乗せた航空機墜落事故の生存者で、ジャーナリストのラファエル・ヘンゼル氏(45)が、26日夜に突然亡くなった▼航空機事故が起きる確立は低いが、全員死亡という例も少なくない。一部リーグのサッカーチームがほぼ丸ごと死亡、生存者はブラジル人4人を含む6人という事故は、世界中に衝撃を与えた。それを知るヘンゼル氏は「生きている事自体が奇跡」と認識していたし、何箇所も骨折したのにスポーツが出来る程回復したと喜んでいた▼そんなヘンゼル氏が、火曜恒例の友人との草サッカーのゲーム中に倒れ、病院に運ばれたが、心肺停止で助からなかった。シャペコエンセのホームスタジアムの隣の文化センターでの葬儀には市民らが大勢参列し、シャペコ市長は3日間の服喪を宣言。同氏が実況アナウンサーを務めるはずだった27日の対クリシウマ戦は延期された▼重傷を負ったが、通常生活に戻った同氏は、数奇な運命を振り返り、講演を行い、『旅立つ日のごとく生きよ』という題の本も出した。今日が最後の日と思えば、「ありがとう」「愛してる」などの言葉はもっと頻繁に口に出来るだろうし、大切な人達に会いに行くなど、後悔しなくて良い言動をと心がける事だろう▼命の大切さを身をもって知った人だから書けた一冊。ミナス州の鉱滓ダム決壊事故の遺族や現在も入院中の少女、スザノの学校での銃乱射事件の遺族や学校に行けなくなった生徒など、予期せぬ出来事に苦しむ人も多い。彼らの痛みを汲み、奮起させられる人がまた一人逝ったとの思いが胸をよぎった。(み)