ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》南北鉄道の主要区間の建設権入札が行われる=落札Rumoは、穀物輸送を支配するか?

《ブラジル》南北鉄道の主要区間の建設権入札が行われる=落札Rumoは、穀物輸送を支配するか?

 ブラジル政府は現地時間の28日、ブラジル国内を南北に走る貨物列車専用の南北鉄道の、サンパウロ州エストレラ・ドエステ~トカンチンス州ポルト・ナシオナル間1537kmの建設及び経営権の公開入札を行った。

 落札したのはRumo社で、落札価格は政府の設定していた最低価格のほぼ2倍の27億1900万レアルだ。

 同区間の建設は国営企業のValecが担当していたが、着工から33年経っても完成させられず、今でも15%が未完成だ。Rumo社には、今後30年間で27億レアルを投じ、残りの部分を完成させる事と、Valecが建設したが、実際の運用には至らなかった区間の修復作業を行う事と、その後の運営が任せられる。

 「入札結果は最高で、落札価格は政府の期待を上回った」と、インフラ相のタルシシオ・フレイタス氏は語った。同インフラ相は、「北東部マラニョン州イタキ港からサンパウロ州サントス港に至る、国内物流の背骨が通る事が最も重要だ」と語った。

 Rumo社と鉄道建設権を競りあったのは、VLIだ。同社は2007年に、ポルト・ナシオナルからマラニョン州アサイランジアまでの建設、経営権を競り落とした。

 Rumoのジュリオ・フォンターナ社長は、「前に担当していた会社の不具合の修正を含め、まずは早期に鉄道を完成させる必要がある」と語った。同社長は、投資額は短期間で回収できると期待している。

 政府が作成した入札規定には、南北鉄道を使った物資輸送の需要について、2020年までは170万トンだが、2055年には10倍以上の2270万トンになるだろうとの試算が掲載されている。

 教育機関ドン・カブラル財団のパウロ・レゼンデ教授は、「鉄道開通の影響はすぐには現れないが、現在はトラック中心の輸送量が、将来的に15倍になる可能性を持っている。落札したRumo社は、一大穀倉地帯であるブラジル中西部でとれた大豆やとうもろこしの輸送を牛耳る事になるだろう」と語った。(29日付エスタード、フォーリャ両紙より)