経済・政治危機が深刻化するベネズエラからの難民が急増する中、国境を接するロライマ州では様々な面で社会に影響を及ぼしている。そんな中、避難民患者で逼迫する州立聖母ナザレー産科新生児科病院に対し、在マナウス総領事館(関口ひとみ総領事)は、草の根・人間の安全保障無償資金供与を通じて、医療関連機材一式の整備を決定した。
今月13日、ロライマ州政庁にて、総領事館と同州保健局との間で機材整備計画の贈与契約署署名式が行われた。供与限度額は7万7410米ドル。医療関連機器一式の整備により、ベネズエラ避難民の患者増加に対応すると共に、ブラジル人患者に対する医療環境改善が期待される。
署名式には、関口総領事、アイルトン・ヴァンデルレイ同州保健局長が署名権者として、山田彰駐伯大使、アントニオ・デナリウム同州知事が立会人として署名した。その他、関係者ら約100人が出席した。
ヴァンデルレイ保健局長は「この支援は友愛・自由・民主の精神を世界に拡げる誠に偉大な行為であり、当州にとっても大きな栄誉」と謝意を述べ、本計画を迅速に実行に移すことを確約した。
関口総領事は「病院の質向上は人々の健康の向上に直結する。とりわけ産科病院は新たな命を生み育む重要な施設」と強調。「アマゾン移住90周年の年に、同院への機材供与を通じて医療環境の改善に寄与できることを喜ばしく思う」と語った。
山田大使は「日本政府は脆弱な状況にあるベネズエラ国民と避難民流入による周辺国への影響を懸念しており、これらへの支援を継続する用意がある」と話し、「この援助が生活向上の一助となり日伯関係が更に強化されれば」と期待した。
デナリウム同州知事は「保健医療サービスに裨益する日本政府による今回の支援は我々の協力関係の更なる重要な一歩」と話し、アマゾン移住90周年を迎える同州と日本との更なる関係発展に期待を寄せた。