今年の国内総生産(GDP)成長率予測が5週連続で下方修正され、2%を割った後、ブラジル経済省は、大本命の社会保障制度改革に加えて経済活性化法案を準備していると、3日付現地紙が報じた。
企業の生産性を高める事を目的に、3カ月、半年、1年と、短期から中長期までのスパン別に練られた措置は、「ビジネス上の官僚手続きの簡素化」「雇用活性」「ブラジル4・0」「市場原理促進」の四つに大別されている。
最初に行われるのは、「官僚手続きの簡素化」だ。この見出しでまとめられる措置は50個ほどだ。経済省の生産性・雇用・競争力担当特別局長のカルロス・ダ・コスタ氏は、政権発足からの100日弱の間に多くの企業の代表者達からヒアリングを行い、措置をまとめたとし、「ブラジルの官僚機構は非常に複雑だ。より簡素にした方がブラジルは発展できる」と語った。
同特別局長は、eソーシャルと呼ばれる、企業が労働者に関する電子申告を行うシステムの簡素化を目玉として紹介した。「評判の悪い所得税申告書を思い出して欲しい。それよりずっと複雑なのが今のeソーシャルだ。これをシンプルにする」と語った。
「雇用活性」の諸措置には、職業教育をより効果的に行うための戦略が含まれる。
政府はこれまでも専門教育機関(Sシステム)で、職業教育の場を増やし、好条件の雇用を確保する、Protecという計画を進めていた。今回はそれをさらに進化させ、政府が企業側に、具体的にどういう人材が欲しいかの聞き取りを行い、それにマッチした職業教育を実施する。
「市場原理促進」には、既得権を守っている規制を緩和し、新規参入と、市場競争を活性化させるための措置を含む。
「ブラジル4・0」にまとめられた経済活性化措置には、企業経営のプロセスをデジタル化し、効率的に経営するための措置が含まれている。
コスタ特別局長は、「4計画が成功すれば、効果は今年中に表れる。経済活動がなかなか活性化しないのは、企業活動を妨げる要素が多く存在するから。4計画はそれらを取り除いていく」と語った。