2日午前、辻清人外務大臣政務官(自民党)がサンパウロ市のイビラプエラ公園内の開拓先亡者追悼慰霊碑に献花し、日本館を視察した。本紙の取材に応じた辻外務大臣政務官は、当地から要望の強い日系四世ビザの要件緩和について「様々な可能性も含めて検討している」と言及するに留まった。
同政務官は「世界の中でも、ブラジルは有数の親日国。日本には20万人の中長期滞在者がおり、こちらには200万人の日系人がいる。日伯関係において繋がりを最も象徴しているのが日系人」と重要性を強調した。
昨年7月に施行された日系四世ビザは、年間目標人数を4千人程度としながらも、当地での発給件数は一桁の域を出ていない。特に日語能力や年齢制限、家族帯同不可等の厳しい要件が阻害していると見られ、要件緩和を求める署名活動も実施されている。
同政務官は「様々な意見が出ていることは承知している。現在、法務省と外務省が連携して、様々な可能性を含めて検討している状況だ。双方にとってよい形を作るのは当然のことだ」と話し、要件緩和も含めた検討が進展していることを示唆した。
また、今月1日に施行した在留資格「特定技能」による外国人労働者の受け入れ拡大制度について、「9カ国で試験実施しているが、ブラジルが除外されているわけではない。中長期で日本で働いているブラジル人にも門戸は開かれている」と話す。 「今後ブラジルも含めて様々な国と開かれ、責任を持った形で、来る方々も受入れる我々も互恵関係を築くために、しっかりと制度を見守り、様々な要望を頂いて臨機応変に対応していきたい」と見通した。
辻外務大臣政務官は、パラグアイ、ペルー、米国を訪問し、6日に帰国する。
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日本では、1日から外国人労働者の受け入れ拡大のために作られた新在留資格「特定技能」が始まった。滞在期間が最長5年で単身が条件の「特定技能1号」の対象は14業種で、人数の上限は計約34万5千人。受け入れは当面、ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴルの9カ国からとなっている。西森ルイス下議は、ここにブラジルを含めるよう、日本政府に依頼している最中だ。これが実現すれば、日系人だけでなく一般ブラジル人も日本で就労できるようになる。それが実現すれば、一気に訪日希望者が増えそうだが、果たしてどうなるか?