【既報関連】サンパウロ州連邦地裁が4日、連邦検察庁サンパウロ州支局提出のミシェル・テメル前大統領に対する起訴状を受理したと4、5日付現地紙、サイトが報じた。これにより、前大統領は4件目の裁判での被告となった。
サンパウロ州地裁が受理した起訴状は、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の一環で摘発された、リオ州のアングラ3原子力発電所建設事業絡みの賄賂が、前大統領の娘マリステラ氏の自宅改修に使われた疑惑に関するものだ。
同件では、前大統領とマリステラ氏、前大統領の友人の退役軍警で、賄賂の仲介に使われたアルジェプラン社社主のジョアン・バチスタ・リマ・フィーリョ氏、その妻のマリア・リタ・フラテジ氏が被告となった。
検察は、改修費160万レアルは、テメル氏に代表される民主運動(MDB)幹部らによる汚職行為で、アルジェプラン社の仲介で支払われたアングラ3絡みの賄賂の一部として起訴。前大統領らは収賄や資金洗浄の罪に問われている。
テメル氏は既に、アングラ3関連疑惑の裁判2件で被告となっている。これら2件はリオ州のLJ裁判として扱われており、一件では公金横領罪と資金洗浄、もう一件では贈収賄と資金洗浄の罪に問われている。
また、連邦直轄区の連邦地裁も先週、食肉大手のJBS社絡みの収賄疑惑で前大統領への起訴状を受理した。同件は、前大統領の元補佐官だったロドリゴ・ロッシャ・ロウレス元下議が、50万レアル入りのトランクを持って車に乗り込む映像などで広く知られた。だが、当時はテメル氏が大統領職にあったため、下院が最高裁での審理開始を差し止め、審理が中断していた。今回は、退任後という事で、連邦直轄区地裁の管轄となった。