ブラジル北部のパラー州北東部で6日未明、州都ベレン市と内陸部を繋ぐ州道483号線の橋の一部が崩壊する事故が起きた。
事故が起きたのは6日午前1時38分。現場はベレン市から約60キロで、アカラー市の入り口に近いモジュ川に架かる橋だ。
同州のオペレーションセンターによると、事故当時は橋の上を走行中の車が2台あったとの目撃証言があり、8日も、消防士30人と海軍兵60人が8隻の船を出して、捜索を続けている。捜索班の中には潜水夫も混じっている。
橋の崩壊は、不法操業の船(貨物などを運ぶための許可を得ていなかった)が橋脚に衝突して起きたものだ。事故が起きたのは、川の流れが速いため、船の操業は禁じられている時間帯だった。
壊れた橋は、今年1月に行われた、地方建築・工学・農業技師協議会(Crea)と消防、州交通局による技術調査の際も、橋脚と杭に腐食や磨耗が見られるとして問題視されていた。
この調査には、州議員や州知事も立会っていたが、崩壊の危険性は指摘されなかった。そのため、船舶が衝突した場合などのために新たな防護壁を設ける、杭の一部で鉄骨がむき出しになっている部分はコンクリートで覆う、地域の看板を再整備するなどの緊急措置を導入する意向を表明したのみで、車両の通行停止には至らなかった。
パラー州では2014年3月23日にも、船の衝突でモジュ川に架かる別の橋(ベレン市から120キロの地点)が崩壊する事故が起きている。この時の船は石油を運んでいたが、今回の事故を起こした船は、油を絞った後のデンデ椰子のカス約2トンを運んでいた。
市警によると、少なくとも7日現在、この地域で行方不明者が出たとの届出はなく、捜索願も出ていないという。
なお、同州交通局は8日、鋼鉄のロープを張って崩壊した橋の一部を修復するとの意向を表明した。この橋は、同州内陸部で生産した農産物をベレン市まで運ぶためにも不可欠で、早急に復旧させる必要がある。同州は現在は大豆の収穫期で、収納庫内にある大豆を搬送できなければ、新たに収穫する大豆を収容する事ができず、大豆が腐ってしまうと、関係者らが頭を抱え込んでいるからだ。(6、8日付G1サイト、アジェンシア・ブラジルなどより)