モジ市コクエラにある「カザロン・デ・シャ」(お茶屋敷)を連邦文化財に登録・復旧し、その運営を市役所から任されてきた御茶屋敷協会。ところが、その運営権を差し止める仮処分命令が先日、裁判所から出された。しかしサンパウロ州司法裁判所は3日、同会による運営継続を許可する判断を下した。オ・ジアーリオ紙が5日付けで報じた。
1942年に製茶工場として日本移民により建設された同建物。86年に連邦政府文化財保護機関により文化財に指定されたものの、長年管理されずにいた。
その後、96年に発足した同会により復元工事が行われ、14年に再落成。近年では、維持管理のため様々な催事に利用されていた。
昨年に20年間の運営権が失効したことに伴ない、モジ市が同等の規定により運営権を更新。ところが、同建物の管理責任を決める公開入札が実施されなかったことを事由とした同市住民の告発を受けて、公共省が起訴。同裁判所は同市法令を憲法違反として同協会による使用を差止める仮処分命令を下していた。
これに対して、モジ市は異議申し立てし、仮処分命令は一時停止となった。マルクス・メーロ同市長は「市の検察庁は、この仮処分命令が連邦最高裁判所、並びに、サンパウロ州司法裁判所の採用する立場と相容れないことを優れた能力を以って示すことができた」とし、処分の不当性を強調。
「今日、お茶屋敷が復元されているのであれば、この場を復元するのに労を惜しまなかった中谷家により指揮されてきたお茶屋敷協会のお陰であり、これは日本移民の重要な象徴だ」と話した。