【既報関連】調査機関ダッタ・フォーリャが今月2、3日に国内130市に住む16歳以上の人2086人を対象に行った調査によると、国民の51%はボルソナロ政権が提案した社会保障制度改革に反対で、賛成は41%、「無関心、分からない」が8%だったと10日付現地紙が報じた。
男女別では、女性の方が反対が多く、反対が56%、賛成は34%だった。男性の場合は、反対45%、賛成48%で、賛成が反対を若干上回っていた。
また、昨年の大統領選でボルソナロ大統領に投票した人に限れば、反対36%、賛成55%で、敗れたハダジ候補に投票した人は、反対72%、賛成22%だった。
また、世帯収入が法定最低賃金の10倍以上の人は、反対47%、賛成50%だった。アンケート対象者全体の5%を占めていた公務員は、63%が反対だった。
未だに国民の間では反対の方が多いが、71%が反対していた17年4月(テメル政権の提案審議時)と比べれば、反対は少なくなっている。
社会保障改革案の項目別に賛否を問うと、最も反対が多かったのは、年金受給最低年齢で、特に「女性は62歳」への反対は65%だった(「男性は65歳」への反対は53%)。さらに、「満額受給には40年の年金負担と最低年齢到達が必要」も、反対が60%に達した。
他方、「高給の公務員の年金負担率を上げる」や、「連邦公務員の年金受給額上限をINSSと同じにする」に関しては、一般市民、公務員共に、60%以上が賛成だった。
「社会保障制度改革について知っているか」の問いへの答えは、知っているが68%、知らないは32%だった。「良く知っている」と答えた人は17%で、「だいたい知っている」は42%、「あまり知らない」は9%だった。良く知っている、だいたい知っている人の中では、反対は55%ほどだった。
「良く知っている」と答えた人だけを見ると、17年4月は改革に反対の人が74%いたので、「国民に社会保障制度改革について説明し、その上で理解を得る」というプロセスに関しては、この2年間で進歩があったといえる。
憲政委員会で意見書読み上げ
10日付エスタード紙によると、下院憲政委員会(CCJ)の報告官、マルセロ・フレイタス下議(社会自由党・PSL)は9日、「ボルソナロ政権が提出した、社会保障制度改革を含む憲法改正案(PEC6/2019)は、一切憲法に抵触していない」との意見書を提出、CCJでの読み上げも行った。
CCJ委員長のフェリペ・フランシスキーニ下議は、10、11日を再検討要請とその対応にあてる。CCJは社会保障制度改革の合憲性に焦点を絞って審議する。9日に読み上げられた意見書を承認するか否かの採決は、17日に行われる見込みだ。