就任100日を前に支持率が下がり、民政復帰後の大統領の初年では最低の支持率と報じられたことなどを打ち消すように、ボルソナロ大統領は11日、就任100日を祝うイベントを行った。大統領はこの場で今後の対策18件も公表した。12日付現地紙が報じている。
社会保障制度改革法案の審議が若干暗礁に乗り上げた感があることや、連邦議会では今日まで、連邦政府側の法案がひとつも承認されていないことなどで、2、3日に行われたダッタフォーリャの世論調査でのボルソナロ大統領への支持率は32%に下がり、不支持率が30%に上がった。
そんな中、連邦政府は「100%ブラジルのための100日間」という題の下で、就任100日間を総括するイベントを開催。渡米中のパウロ・ゲデス財相とカルロス・アルベルト・ドス・サントス・クルス大統領府総務室長官を除く、すべての閣僚が顔をそろえた。
大統領府広報官のオタヴィオ・レゴ・バロス氏は、「1月に打ち出した35の目標は全て達成した」と語った。しかし、フォーリャ紙、エスタード紙は、達成したといえる目標は、前者が24、後者が18としている。
また、ボルソナロ大統領も5分足らずのスピーチを行い、「バロス広報官は“海の波は高い”と言ったが、私は空には雲ひとつない状態だと確信している」と自信を強調した。さらに「神」という言葉を3度使った。
大統領はスピーチの前に、18の対策に署名を行った。その内の12は大統領令で、四つが法案プロジェクトだ。その中の一つは、10日付本面で報じた、「過去の大統領令で無意味化したもの250件を廃止する」ための大統領令だ。
18の内九つは、ボルソナロ氏が昨年の大統領選の際に選挙公約として高等選挙裁判所に提出した項目やその一部に特化した内容だった。
中銀総裁の任期は大統領の任期とは切り離して4年間とすることを盛り込んだ「中央銀行の独立化案」もその一つで、法案補足案として連邦議会に提出される。
同じく公約の一つだった「ホームスクールの合法化」は、法案として提出される見込みだ。ブラジルでは現在、7千余りの家庭の子供が学校に行かずに家庭学習を行っているが、これは、現行法では違法だ。ホームスクールは主に福音派が強く支持している。
また、テメル政権が半額に打ち切ったスポーツ奨学金の「ボウサ・アトレッタ」を復活させる法案も含まれている。この法案が承認されると3142人のスポーツ選手が新たに恩恵を受けることになる。
11日に署名された18の対策は、汚職や環境犯罪、薬物問題などに関するものや、社会統合、観光促進、経済、教育などの分野に及んでいる。