ブラジルの場合、「フェミニズム」に対する評価が、女性よりも男性の間での方が高いことがわかった。
調査機関ダッタフォーリャが4月2、3日に全国130市で行った調査によると、「フェミニズムは社会に、害より益をもたらす」と考えている男性は49%で、女性の45%より高いことがわかった。
また、「フェミニズムは女性に、害より益をもたらす」と考えているのも、男性が48%で、女性の43%より高かった。
さらに言うと、「フェミニズムを支持するか」との問いに男性の52%が「支持する」と答え、「支持しない」の40%を大きく上回った。これに対し、「あなたはフェミニストか?」の問いに、「そうだ」と答えた女性は38%で、「そうではない」と答えた女性の56%を大幅に下回った。女性の方がむしろフェミニズムに対して保守的な側面をうかがわせている。
また、「若者」「高収入」「高学歴」「白人より黒人」「宗教的なこだわりのない人」たちの方が、フェミニズムをより強く支持していることもわかった。
他方、国民の意識がどうであれ、社会的には矛盾していることを示すデータがあることが、今回の調査でわかっている。
たとえば、「現在の女性政治家の数は十分だと思うか」の問いに、「十分すぎる」と答えた人は約10%で、「十分だ」と答えた人も20%前後しかいなかった。
「現行法は女性を保護するために適切だと思うか」の問いに賛同したのは約40%で、「そう思わない」と答えた人は50%以上いた。
さらに、「男性が女性に暴力を振るう事件は増えていると思うか」の質問には、90%以上の人が「増えている」と答えている。
また、「男性が女性に暴力を振るった事件の報道は大げさだと思うか」の問いに、「そう思う」と答えたのは47%で、51%は「そうは思わない」と答えている。
だが、この質問の答の内訳は、答えた層によって大きく違う。34歳以下の人では「そう思う」は36%以下だったのに対し、45歳以上で「そう思う」と答えた人は45%以上いた。
また、昨年の大統領選で、極右候補で現大統領のボルソナロ氏に票を入れた人の間では「そう思う」が48%だったのに対し、対抗の左派・ハダジ氏に票を投じた人では34%に過ぎなかった。
ボルソナロ氏の支持者の間では「自身がフェミニストだと思う」が32%、「フェミニズムを支持する」が46%で、ハダジ氏支持者のそれぞれ49%、59%を大きく下回っていた。(14日付フォーリャ紙より)
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