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ペルー=ガルシア元大統領が自殺=オデブレヒト社巡る汚職で逮捕直前に

ガルシア氏が自殺した事を報じる17日付G1サイトの記事の一部

ガルシア氏が自殺した事を報じる17日付G1サイトの記事の一部

 ペルーのアラン・ガルシア元大統領が17日、ブラジルの多国籍企業オデブレヒト社に関連した汚職疑惑で逮捕される直前に自殺を図り、病院で亡くなったと17日付のブラジル国内紙サイトが報じた。
 ガルシア氏は1985~90年と2006~11年に同国の大統領を務めており、06年の大統領選挙の際、オデブレヒト社から賄賂を受け取った収賄容疑や資金洗浄、職権乱用などで捜査対象になっていた。
 同氏逮捕は、17日朝(現地時間6時25分、ブラジリア時間では8時25分)、リマ市内の自宅に到着した警察官により、家宅捜査令状と共に執行されるはずだった。
 だが、家宅捜査令状を見せて同氏宅に入った警察官から階下に下りるよう要請されたガルシア氏は、「弁護士と連絡を取るから」と言って自室に戻った後、銃で自殺を図った。
 銃弾はガルシア氏の頭を貫通。同氏は意識不明の重体でリマ市内の病院に運ばれ、手術も受けたが、絶命した。
 知らせを受けた同国のマルティン・ヴィスカラ大統領は、遺族や友人らに弔辞を送ったという。
 ガルシア氏は、オデブレヒト社が今年2月に同国政府と結んだ司法取引で言及され、捜査対象となっていた大統領経験者4人の1人だ。
 同社を巡る汚職は、2014年にブラジルで開始されたラヴァ・ジャット作戦(LJ)から波及した捜査で明らかにされてきた。ペルー以外で司法取引を行っている国は、ブラジル、米国、スイス、ドミニカ、パナマ、エクアドル、グアテマラの7カ国だ。同社は各国でインフラ関連の事業契約獲得のために贈賄を行っており、与野党の政治家が収賄や資金洗浄の嫌疑をかけられている。
 ガルシア氏以外で捜査線上にあるペルーの主な政治家は、オジャンタ・ウマラ元大統領(2011~16)、ペドロ・パブロ・クチンスキ前大統領(2016~18、2005~16年は首相を務めた)、アレハンドロ・トレド元大統領(2001~06)、資金洗浄で3年間の予備拘留中の野党リーダー、フジモリ・ケイコ氏らだ。クチンスキ氏は10日に逮捕されており、米国在住で2千万ドルの賄賂を受け取った容疑のトレド氏は、ペルー当局が強制送還を申し入れている。