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四世ビザ=要件緩和求め署名運動展開=家族帯同不可の撤廃等求める=四世中心に1千人以上が賛同

パッソス代表(左)と四世の日系人

パッソス代表(左)と四世の日系人

 昨年7月に施行された日系四世受入れ制度。運用開始されて半年が経過したが、当初の年間目標4千人に対して、当地では未だ一桁の域を出ていない。その足枷となっているのが、厳格過ぎるとも言える申請要件だ。その要件緩和を求める四世からの切望を受けて、査証代行取得業者「仕事.com」(コリ・パッソス代表)は、昨年末から署名運動を開始した。4世を中心とする日系人やその配偶者から既に1千人以上の署名が寄せられており、目標人数を5千人として活動を展開している。

 署名活動を通じて求めているのは(1)家族帯同不可、(2)日語能力の義務、(3)18~30歳までの年齢制限の3項目の要件撤廃だ。パッソス代表によれば、四世から最も不満が多いのが家族帯同不可という。
 既婚者ならば、自身の日本での生活のみならず、本国にいる家族の生活のために送金しなくてはならない。ところが、現行制度では日本文化及び日本語を最低でも週一回程度行わなければならないほか、時間外労働は想定されておらず、「相当に厳しい」と言う。
 「政府はリーマンショックの時に日系人に帰国支援をしたが、家族連れが多く負担が多かった。経済危機に再び陥った際、単身者なら負担が少なくて済むし、ビザ更新時にいつでも切り捨てられる。そういう政府の思惑が見え隠れする」と指弾した。
 日語能力の義務については「日語は重要だし、必要」と理解を示す一方で、「入国時に義務付けるのは現実的に厳しい。多くの場合、お金を払って日語を学ぶ経済的余裕はない。それにN4取得には少なくとも一年は日語を勉強する必要があり、年齢制限上も厳しい」と指摘する。
 「日本で収入を得させて、そこで日語を勉強させる。その上で、ビザ更新時に日語能力を求めるというのは納得がいく」と話し、入国時に求められるN4相当の日語義務の撤廃を求めたい考えだ。また、年齢制限についても「四世の平均年齢は35歳くらいでは。現状に見合っていない」と指摘した。
 同制度は、滞在を最長5年とし、帰国後に日本と現地日系社会の懸け橋となる人材育成を謳っている。だが、パッソス代表は「それは幻想。9割以上はよりよい生活条件を求めて就労を望んでいる」と予測する。
 「日本にいる間はまだましかもしれないが、帰国後には以前の働き口は埋まっており、労働市場から浮いてしまう。数カ月も職に就けないことはざらで、まさに二、三世が辿ってきた道程だ。子供がいる人は日本に定住したものも多いが、単身者は両国の間をふらふら行き来し、何処にも根を下さない。こうなるともはや悪循環だ」と話す。
 「帰国した四世をどう本国社会に再適応させるのか誰も真剣に考えていない。政府も四世自身もよく熟考しなければならない点だ」と警鐘を鳴らした。


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 署名活動はインターネットを通じて不特定多数に依頼することもできるが、パッソス代表は「四世とは何の関係もない人からただ数を集めるだけでは全く意味も持たない。だから、四世ビザ要件緩和に賛同してくれる日系人及びその配偶者のみに御願いしている」と話す。休日に日系人の人通りが多いリベルダーデ駅付近などで地道に署名運動を続けているという。署名活動への協力や四世ビザ取得などの相談は、同社(電話=3101・8193、3106・2780、HP=http://shigoto.com.br/visto_yonsei.html)まで。