アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領は17日、今後6カ月間に及ぶ生活必需品の価格凍結(値上げの禁止)を宣言したと、18日付ブラジル各紙が報じた。
同国では3月のインフレ率が、単月度としては28年ぶりの高さとなる4・7%に及び、貧困率も32%に達した。昨年4月~今年3月の累積インフレ率は54・7%だった。価格凍結の対象は、米、小麦粉、パスタ、牛乳、ヨーグルト、砂糖など、基礎食糧品を含む60品目だ。
また、1800万人の恩給、年金受給者には、食料、衣類、電気製品、建設用資材購入時に10~25%の割引を行う措置も発表された。これらの1800万人には、低金利の融資が約束された他、医薬品購入時も20~70%の割引が受けられる。
電気代、ガス代、公共交通運賃、高速道の通行料も今年いっぱいは値上げを禁じられた。携帯電話や一部固定電話の通話料も9月15日までは値上げ禁止だ。
アルゼンチン経済相のニコラス・ジョヴネ氏は、「苦しむ一般家計の一助になる」としている。
なお、アルゼンチン中銀は、為替相場を今年いっぱい、1ドル=39・75ペソ~51・45ペソに固定すると発表した。
一連の措置は、インフレ抑制に失敗したマクリ大統領が、10月の大統領選で再選を狙うための措置と見られている。
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