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JRパス=「21年以降も利用したい!」=世界の在外邦人が続々と反発=同じ家族なのに異なる運賃に

在外邦人のみ使えなくなるJRパス(提供=flickr)

在外邦人のみ使えなくなるJRパス(提供=flickr)

 【既報関連】「ジャパン・レール・パス(以下、JRパス)の利用期限が来年12月に切れる」問題に疑問を呈した2月19日付け本紙記事に対し、世界中の在外邦人から多くの反響が寄せられた。ブラジルだけでなく、各国の在外邦人もJRグループの発表には大いに困惑している。「在外邦人だけ使えなくなるのは納得できない」等と反発の声が相次いでいる。

 「在外邦人だけ使用できない理由をはっきりしてほしい」と苦言を呈するのは、オーストラリア在住16年目で58歳のIさん。JRパスがないことで、「年配の方はもとより、外国人配偶者を持つ日本人は日本の両親に子供を会わせるのが大変になる」と危惧する。
 オーストラリアはワーキングホリデービザで多くの日本人が滞在し、国際結婚が多い。「子供や外国人のパートナーだけで日本に行くのも大変」とし、「誰の、何のためのJRパスなのか?」と疑問を呈する。
 アメリカ人と結婚したMさんは、米国在住23年目。JRパスの利用期限が延長になったため、友人のアメリカ人夫婦が初訪日した昨年、夫と共に日本を案内した。
 日本に行きたいアメリカ人は大勢いるため「案内役の私がJRパスを利用できなければ、彼らを案内できないので困る」と途方に暮れた。
 東南アジアに住むTさん一家は、一時帰国時にJRパスを利用している。会社からの帰国費用は東京までの航空チケット代のみ。実家へ行くのに往復5万円かかるが、これは飛行機代よりも高い。日本滞在費用もバカにならず、JRパスの利用は大いに助かっているという。
 「何十年経っても日本人の心があるから、国籍まで変えたくないんです」とアメリカ在住28年目のSさんは切実な思いを訴えている。楽しみはJRパスで回る旅行。宿泊費も食事代もかかるため、JRパスがなければ今までのように旅行はできない。「なぜ日本の人が、在外同胞である我々の楽しみを奪うのか」と悔しさを滲ませる。
 今までJRパスの使用許可に感謝しており、大阪万博でも利用するつもりだった。日系人や日本人のJRパス使用者数は微々たるものだとし、「JRには理由を説明してほしい」と今後の継続を願っている。


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 JRパスに関する様々な反響が寄せられる中、「JRはこれだけ国際化している時代の逆をいっていないか」という意見も多数寄せられた。かつて「もう二度と祖国に戻ることはない」と決死の覚悟で移住した時代とは異なり、留学やワーキングホリデー、海外勤務、国際結婚と長年海外で活躍する日本人が増えている。また、外国による日本への信頼を上げるために、在外邦人も力になっている。それを国籍だけで利用許可を失くすのはいかがなものか。
     ◎
 2018年には3119万人の外国人観光客が日本を訪れ、日本政府は2020年までに4千万人を目標にしている。その人たちはJRパスを使えるのに、「同じ外国からいく邦人数万人だけが使えないのは理屈が通らない」との声も。経費削減を問題にするなら、圧倒的多数の外国人観光客全体の待遇を考えるべきで、それを邦人だけに押し付けるのは筋違いでは。日本国籍だからと、同じ場所に住んで一緒に日本へ行く家族(外国籍)と別の待遇になるのは、かなり違和感が…。
     ◎
 16年にも署名活動を行なっていた「ジャパン・レール・パスを考える在外邦人の会」が、今回もネット上で署名活動を行なっている。同会によれば、16年には5カ月で70カ国に住む在外邦人約8千人から署名を集め、JRグループに嘆願書を提出した。今回は購入資格の変更や販売継続も求めており、既に1800人以上集まっている。署名はサイト(http://chng.it/PDSk8mq2tz)から可能だ。また、引き続き読者の意見も募集中。本紙ぷらっさ欄宛に郵便、もしくはEメール(redacao@nikkeyshimbun.jp)で「JRバス問題」と件名に表記でも可。電話(11・3340・6060、有馬まで)でもOK。