ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ルーラ元大統領、汚職裁判3審も有罪=量刑は2審より大幅に軽減=9月にも「平日夜間、祝休日限定収監措置」適用の可能性

《ブラジル》ルーラ元大統領、汚職裁判3審も有罪=量刑は2審より大幅に軽減=9月にも「平日夜間、祝休日限定収監措置」適用の可能性

高等裁第5小法廷の様子(Gustavo Lima/STJ)

高等裁第5小法廷の様子(Gustavo Lima/STJ)

 【既報関連】連邦高等裁判所(STJ)第5小法廷で23日、ルーラ元大統領の弁護団が求めていた、サンパウロ州グアルジャー市高級三層住宅に関わる収賄および資金洗浄疑惑に関する上告審が行われ、「被告人は有罪。ただし、第2審判決で出された禁固12年と1カ月の刑期を8年10カ月20日に減刑とする」との判決が出されたと、23、24日付現地各紙・サイトが報じた。
 審理には全5判事中、4判事が参加。全会一致での減刑判決となった。STJはまた、ルーラ被告に科されていた罰金を2900万レアルから、240万レアルへと減らした。
 17年7月の第1審では9年6カ月、18年1月の第2審では12年1カ月、そして23日の第3審では8年10カ月と、グアルジャーの三層高級住宅を巡る裁判におけるルーラ被告の刑期は大きく変動している。
 報告官を務めたフェリックス・フィッシャー判事は、有罪の方向性は保ちつつも、「第2審判決を出した連邦第4地域裁(TRF―4)の、量刑大幅増の判断基準に疑問あり」と主張。他の判事もそれを支持した。
 刑法では、刑期の6分の1を問題を起こすことなく務めれば、夜間と週末、祝日だけ刑務所に戻ればよい、セミアベルトと呼ばれる収監方式への変更が認められる。
 ルーラ被告は昨年の4月7日から禁固刑に服しており、刑期の6分の1に達する今年9月末に、セミアベルト適用を受けられる可能性がある。
 刑務所の過密収容問題などもあり、セミアベルト・ディフェレンシアード(刑務所ではなく自宅禁固。夜間と週末、祝日だけ自宅に戻ればよい)という措置の可能性も24日付地元紙は指摘した。
 ルーラ被告は現在、グアルジャー裁判の他に、7件の裁判に関わっている。内6件は、判決がまだ出ていない刑事被告人の状態で、別の1件、サンパウロ州アチバイア市の別荘改修費関連裁判では、第1審判決で禁固12年11カ月を受けている。セミアベルト適用はこの裁判の第2審の時期や結果次第で、まだ不透明だ。
 アチバイア裁判の2審判決が1審判決を踏襲した場合、ルーラ被告の刑期はグアルジャー裁判の刑期に合計される。
 グアルジャー裁判の刑期だけで算出された、セミアベルト適用条件を満たす前に、アチバイア裁判の2審でも有罪判決が出たら、セミアベルトにはならない。
 ルーラ被告の弁護団は、「有罪の根拠は報奨付の供述のみ。物的証拠が無い」、「原告側は賄賂だと主張しているが、その金は選挙資金だ。選挙資金絡みは選挙裁判所で扱うべき」などと主張したが、いずれも報告官のフィッシャー判事に退けられた。弁護側は最高裁での第4審を請求する意向だ。