今年のサッカー全国選手権1部リーグが、28日より開幕する。
1月下旬から、州選手権や北東部選手権、リベルタドーレス杯、スル・アメリカーナ杯などの国際大会、ブラジル杯などの試合は行われていたため、厳密には「サッカーシーズン開幕」との言葉は不適切だ。
だが、やはり、シーズンのメイン大会は全国選手権。有力チームの戦力や、見所を紹介していく。
今年も優勝候補筆頭に挙げられるのは、昨年優勝のパルメイラスだ。ブラジルでは、財政基盤の脆弱なチームが多く、優勝してしまうと、逆に国外チームから目をつけられ、選手を引き抜かれで弱体化することがある。
だが、豊富な資金力を持つパルメイラスは昨年の主力をほとんど残留させた上、中国リーグから元ブラジル代表のリカルド・グラールを補強した。丸々2チーム分の戦力を揃えているため、週に2試合の過密日程も、選手を入れ替えて疲労の影響を抑えて戦える強みもある。
サンパウロ州選手権では準決勝でPK戦の末に敗退したが、総合力が問われるリーグ戦での安定感はナンバーワンだ。
パルメイラスの次に来ると予想されるのは、フラメンゴとクルゼイロか。
フラメンゴはガビゴール(サントス)、アラスカエタ(クルゼイロ)、ロドリゴ・カイオ(サンパウロ)など、ライバルチームの主力を引き抜き、一気に戦力をアップさせた。リオ州選手権も他を圧倒して優勝し、老将アベル・ブラガ氏の手綱裁き次第では、十分に優勝も狙える。
昨年、ブラジル杯連覇を達成したクルゼイロは、マノ・メネゼス監督が16年7月からほぼ3年間にわたって指揮を続けているという、ブラジルでは異例の長期政権によるチームの熟成が強みだ。
アラスカエタこそフラメンゴに引き抜かれたものの、昨年までコリンチャンスで活躍後、エジプトに渡っていた元ブラジル代表のロドリギーニョを獲得し、戦力ダウンを免れた。全国選手権開幕前も、ミナス州選手権で優勝。リベルタドーレス杯の一次リーグでは5戦5勝と圧倒的な力を発揮し、ベスト16入りを決めている。
優勝争いはこの3チームを中心に展開していくと予想されるが、注目されるチームには、12年ぶりの1部復帰となったフォルタレーザが挙げられる。
2年前は3部にいた同チームは、2年連続で昇格を達成。昨年は2部で優勝し、今年のセアラー州選手権でも優勝と波に乗っている。
元サンパウロFCの伝説的GKのロジェリオ・セニが指揮して2年目となるが、1部常連チームにとって思わぬ伏兵になるかも知れない。
6月から7月にかけての南米選手権開催中は中断されるが、全国選手権1部リーグは、12月初旬までの長丁場だ。過密日程や、広大なブラジル故の移動の負担に耐え得たチームが栄冠を手にする。
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