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《ブラジル》JBS社に100万レアルの罰金=動物から元従業員への病気感染で

 ブラジル中西部マット・グロッソ州の労動裁判所が、食肉大手のJBS社に対し、職場で動物を扱っていたために病気に罹った元就業員への賠償金として、100万レアルの支払いを命じた。
 同州の労働検察が24日明らかにしたところによると、同州州都のクイアバ市から800キロのアウタ・フロレスタ市にある同社工場で働いていた従業員がブルセラ症またはマルタ熱と呼ばれる慢性疾患に罹ったのは、病気に罹っていた動物に触れたためで、従業員の健康管理を怠った同社に責任があると判断されたという。
 ブルセラ症は人畜共通の感染症で、この病気にかかっている動物に接したりすると、容易に感染する。人に感染すると、発熱や発汗、頭痛、背部痛、体力消耗といった症状を引き起こす。また、重症化すると脳炎や髄膜炎、内幕炎、骨髄炎、心臓や肝臓、消化器系の疾患も引き起こし、死に至る可能性がある。
 労働検察によると、同社では、定期健診はもちろん、従業員を採用する際や従業員が退職する際の検査でも、ブルセラ症に関する適切な検査を実施しておらず、従業員への感染の実態をつかんでいなかったという。
 裁判所は、過去6カ月間に解雇または退職した従業員全員を対象に、ブルセラ症に感染していないかどうかの検査を実施する事も命じた。
 JBSは2015年にも、同じ問題で有罪判決を受けている。この時はクイアバ市から1160キロのコンフレザ市の工場で感染が起きた。その当時も、工場で扱う牛がブルセラ症に罹っているか否かの検査を毎日行うという基準が守られていなかった。
 アウタ・フロレスタ工場での患者発生は、15年に有罪判決を受けた後も、同社の衛生管理体制が整備されていなかった事を示している。
 ブルセラ症に感染するリスクは、動物の飼育や管理を担当する人や、食肉処理場で働く人などの方が高い。また、母親から胎児に感染する例もあるという。(25日付G1サイトより)