サンパウロ州での殺人や強盗殺人などは減少傾向にあるが、第1四半期の女性殺人の犠牲者は昨年同期比で76%増と29日付現地紙サイトが報じた。
女性が殺される事件そのものは減っており、犠牲者の数は、昨年同期の119人が97人にと、18%減った。
だが、現在または元の夫や恋人、愛人に殺された「女性殺人」の犠牲者は21人から37人に増え、殺された女性に対する女性殺人の犠牲者の割合は、17・5%が38%に跳ね上がった。
女性殺人の8割は女性の自宅で起きており、37件中26件は、犯人の身元が割れている。ただし、犯人が逮捕されたのは19件のみだ。
ブラジル治安フォーラムの理事によると、女性殺人が区別されるようになってから数年経っており、第1四半期の女性殺人増加は、統計上の増加ではなく、事件数の増加ととるべきだという。
また、女性殺人は家庭内暴力などに引き続いて起きる例も多く、罵詈雑言を浴びせられたり暴行を受けたりした女性が、女性警察署などに訴えるのを止めると、その後の暴力はなおさらひどくなる傾向があるという。
サンパウロ州での女性殺人被害者は、2017年が232人、18年が393人で69%増えているが、第1四半期の数字だけを見ると、今年も増加傾向が続きそうだ。
同州での第1四半期の犯罪は、殺人が766件から712件へと7%減り、強盗殺人も66件が38件にと42%減っている。また、強姦は3218件が3044件に5%減、窃盗も6万7755件が6万2373件に7・9%減っている。
家庭内暴力などを扱う女性専門警察署の内、24時間対応の署は9署増えて10カ所になった。ドリア政権では24時間対応の署を更に30増やす意向だ。時間限定の署も含めた女性専門警察署は、サンパウロ市9署、サンパウロ大都市圏16署、内陸部108署の計133カ署だ。
なお、サンパウロ市ではこの週末も、少なくとも2件の女性殺人が発生した。
1件は、38歳のダニエレ・デ・ジェズスさんが27日未明に39歳の元夫に殺されたもの。元夫はその後、警察に出頭し、犯罪を自供した。警察は、ヴィラ・マチウデ区の自宅で、ダニエレさんの絞殺体を見つけた。
この件では、ダニエレさんの自宅前で待っていて、ダニエレさんの私物を盗んで逃げた路上生活者も逮捕されたが、この男は、殺害への関与は否定している。
もう1件は、28日0時頃に市南部のパレリェイロスで発生。ラケリーネ・コレア・カヴァウカンテさん(41)の首には深い切り傷があり、傍らにはナイフと小槌が残されていた。28日午後逮捕された容疑者は、殺人罪・人身保護担当課に回された。
また、ペルース区で起きた殺人事件も、女性殺人の可能性があり、警察が捜査中だ。
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