ポルトガルの大学で、ブラジルからの学生に対する外国人差別が行われて問題化していると、4月30日付フォーリャ紙が報じている。
問題となっているのはリスボン大学法学部で、4月29日に、キャンパス内に石の詰められた木の箱が置かれ、「ズッカ(ブラジル人に対する侮蔑語)に投げつける場合は無料」の貼紙が添えてあった。
同大学の学生協会が調べたところ、これは外国人差別ではなく、法学部に在籍するブラジル人学生が増えたことに対する皮肉だという。
だが、同校に在籍するブラジル人学生数十人はこの行為を差別的行為として批難して、箱を撤去させた上、法学部の入り口で抗議運動まで行った。
同大学の修士課程で学んでいるブラジル人判事のダニエラ・アンペ氏も、この日は研究を行わず、抗議運動に参加。「これは冗談では済まされない。暴力を煽る行為だ」と不満を示している。同じく修士課程に在学中のモイゼス・ソウザ氏によると、偏見に満ち、人種差別的な行動は、今回が初めてではなく、冗談や笑い話と言いつつ、とげのある話や表現をする人の中には教授たちも含まれているという。
同校は、前身が13世紀から存在する同国きっての名門大学だが、近年は、修士課程で学ぶブラジル人学生の増加で、自分たちが学べなくなったと不満を持つポルトガル人学生が増えているという。