【既報関連】機体ローンなどの債務不履行による航空機差し押さえにより、アヴィアンカ(A)社の国内便に欠航が相次いでいることで、需要と供給のバランスが崩れ、一部の人気路線では航空券価格がほぼ2・4倍に跳ね上がる現象が発生していると、2日付現地紙が報じた。
航空券価格比較サイト、Voopterによると、 価格上昇が最も激しかったのは、リオ(サントス・ドゥモン空港)とサルヴァドールを結ぶ区間で、昨年4月は平均574・14レアルだった運賃が、今年4月には1377・32レアルとなっている。Voopterのジュリアーナ・ヴィタル氏は、「A社騒動の影響は大きい。需給バランスをチェックして価格を決めているシステムは、この動きを敏感に感じ取った」と語る。
A社は、国内最重要路線のリオ~サンパウロ市間の運行は守っている。
自前の航空機を持っていなかったA社は、機体をレンタルして営業していた。しかし、昨年末に申請した民事再生手続きによる債務整理の過程で、57機借り入れていた航空機は52機が強制返却となり、運航に使えるのは5機のみになっている。短期間で52機が使えなくなったことは過去15年に1度もなく、現在、離発着している空港は4カ所のみになっている。
ある経営コンサル会社の航空部門の専門家は、「短期的に見れば、供給が減って価格が上がるのは当然のことだが、A社が運航できなくなった路線は別の会社に引き継がれ、価格上昇圧力も弱まるはず」としている。