ブラジル中央銀行が6日に発表した経済動向調査「フォーカス」によると、今年の国内総生産(GDP)の予想成長率は、4月29日に発表された1・70%より0・21%ポイント低い、1・49%に下がったと、6日付現地紙サイトが報じた。
中銀の動向調査は、国内の銀行や金融機関(計100社以上)を対象として行われ、毎週月曜日に結果が発表される。GDPの予想成長率は1月17日の2・6%以降、10週連続で下方修正されており、今回は今年初めて1・5%を割った。
GDP成長予想の下方修正は、18年のGDP成長率は1・1%だったと発表されて以来続いており、中銀が出すGDPの予想成長率も、3月28日に2・4%から2%に下方修正された。経済省の予想はまだ2・2%成長となっている。
フォーカスのGDP予想成長率は、3月29日集計(4月1日発表)時に2%の大台を割って1・98%となっていたが、僅か5週間で1・5%も割り込んだ。
最新予想値の低下は、3月の工業生産高が2月比で1・3%減少した事や、失業率の回復が思わしくない事などからも予想されていたが、下げ幅は市場の予想を上回った可能性がある。
なお、2020年、21年、22年のGDPは従来通り、2・5%成長との予想が保たれた。
他方、今年のインフレ予想は、前回予想の4・01%が4・04%に、若干だが上方修正された。ただし、政府目標は4・25%±1・5%ポイント(2・75%~5・75%)なので、この範囲を逸脱するには至っていない。来年末時点のインフレ予想は、来年からの政府目標の4%で保たれている。
インフレ抑制効果などが期待される経済基本金利(Selic)は6・5%のままの見込みだが、来年は7・5%になると予想されている。
年末時点の為替は、1ドル=3・75レアルとの予想のままだ。来年の年末時点の為替は1ドル=3・75レアルと予想されている。
貿易収支の予想は500億ドル黒字が503・9億ドルの黒字に上方修正された。来年は460億ドルの黒字予想が維持された。外国投資は820億ドルの予想のままだが、来年の投資予想額は846・8億ドルが850億ドルに拡大した。
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