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サッカー=ユニフォームの協賛スポンサーの歴史=各時代ごとに目だっていた企業は?

 サッカーのプロのクラブチームのユニフォームに企業名やロゴが入るのは、今や世界のサッカー界にとってはかなり常識になっている。だが、その協賛企業に、その時代時代のトレンドがあることを、5日付フォーリャ紙が、ブラジルのチームの例を示し、時代ごとに説明している。
 ブラジルでサッカーのユニフォームに協賛企業名やロゴが入るようになったのは1987年からのことで、この頃から90年代にかけては食品関連の企業が圧倒的に強かった。
 90年代に優秀な成績を残していたパルメイラスは、その当時、乳製品企業のパルマラットの協賛で有名だった。この頃は、ライバルのコリンチャンスも、同じく乳製品企業のバターヴォの協賛を受けていた。
 また、90年代後半から2000年代前半にかけてのユニフォームでは、自動車企業が強かった。リオのフルミネンセが韓国車のヒュンダイの協賛で知られたのをはじめ、ポルト・アレグレを本拠地とするライバル・チームのインテルナシオナルとグレミオは、どちらもシボレー車のロゴをつけてプレーしていたが、ユニフォームに記載された車種は、前者がコルサ、後者はアストラだった。
 この時代は、政治的に見ると中道右派の民主社会党(PSDB)政権下で、ブラジルは、農業中心の貿易国から、工業に力を入れることで本格的な先進国を目指そうとしていた時期だ。
 2000年代の主流は電化製品で、日本の「サンヨー」「京セラ」「パナソニック」などもスポンサーとして名を連ね、韓国のLGやサムスンもスポンサーに参加した。
 この時代は、労働者党(PT)政権下で、貧困層が新興中流層に上がってきたことで、生活必需品としての家電に人気が出たこと、また、本格的な携帯電話やインターネットの時代に移行したことを思わせる。
 そして、2010年代に入った現在、主流を成しているのは銀行、金融業だ。連邦貯蓄銀行(CAIXA)、BMG銀行などが毎年のようにどこかしらのチームのスポンサーをつとめる姿が目だってきている。
 この背後には、労働者党ルーラ政権時代のバブルがはじけ、後をついだジウマ政権や、同大統領罷免後のテメル政権、そして現在のボルソナロ大統領でもまだ続いている経済的、社会的混乱を象徴している。
 また、ここ数年、国内で圧倒的な強さを見せているパルメイラスも、民間金融業のクレフィーザ社がレギュラーでスポンサーになってから強さが目立っている。(5日付フォーリャ紙より)