ブラジル全国自動車工業会(Anfavea)の評価によると、メキシコ産自動車はブラジル産と競合する可能性がある。
今年3月より、ブラジルとメキシコの間では、軽自動車の非課税自由貿易が実施されている。
Anfavea会長のルイス・カルロス・モラエス氏は7日、「ブラジル、メキシコ間の軽自動車関税が撤廃されたことで、ブラジル国内の市場でさえ、メキシコ産自動車がブラジル産自動車より有利になる可能性がある」と述べた。
調査によると、メキシコ産自動車はブラジル産自動車よりも廉価で、ブラジル国内でも、国産車より安く販売される可能性があるという。
メキシコはブラジルよりも自動車の生産コストが18%低い。そのために、メキシコ産の自動車は、輸入にかかるコストを価格に乗せても、ブラジルで売る場合の価格がブラジル産を下回ることが可能だ。
ブラジルとメキシコで生産コストの差を生じさせているのは、物質的なコストと、ブラジル特有の複雑な官僚手続きのせいで生じるコスト、税金などがある。
ルイス・カルロス・モラエス氏は、「この調査の目的は、今のブラジル自動車産業の全体像を捕えること。ブラジルで自動車の製造コストが高くなってしまう原因がどこにあるかのを示し、ブラジル政府が解決策を見つけるのを助けるために、調査データを使って欲しい」と語った。
モラエス氏は、「ブラジルの自動車産業は、年間300万台もの生産能力を持つ、非常に大規模なものだ。周辺産業、サプライチェーンにも影響するし、大きな雇用も生み出す。そうした観点から、ブラジルの自動車産業が国外に比べて不利になっている状況には注意を払わなければならない。国内生産コストが高すぎて、ブラジルで売った場合でも輸入車の方がブラジル車より安い、なんてことがあってはならない」と語った。(7日アジェンシア・ブラジルより)