ブラジル日本語センターの日下野良武理事長は就任直後の昨年4月、活動の3本柱の一つとして「日本との連携強化」を挙げた。その後すぐに訪日し、日本政府へ支援を訴えた。今年で77歳を迎える同氏の行動力には、いつも刺激を受ける。
日下野理事長はかつてサンパウロ新聞専務を務めた経験があり、今もジャーナリストを続けている。初対面の時からサ紙創立者の故・水本光任氏から気に入られ、サ紙に入ってほしいと何度も口説かれたのだとか。そして初代東京支社長に抜擢された。この逸話からも、同氏の“人たらし”たる魅力が窺える。
皇室との付き合いも深く、73年5月にサ紙が東京・新宿の伊勢丹デパートで主催した「大ブラジル展」では、開会式にご臨席された三笠宮殿下から報告を受け、なんと昭和天皇が同展をご覧になったとか。これも日下野理事長の魅力故ではないだろうか。
「引き受けたからには全力でやる。家庭を顧みれなくて、女房には辛い思いをさせているけれど…」と苦笑しつつ邁進し続ける日下野理事長。日本語教育推進の法案が成立すれば、その影の立役者の一人としてコロニア史に名前を残し、家族にかけた苦労に報いる成果になるかも。(亜)
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