「ブラジル、そしてサンパウロ市は、日系社会の支援のおかげで今日の発展がある」――ブルーノ・コバスサンパウロ市長は4月24日、リベルダーデ文化福祉協会(ACAL、池崎博文会長)主催の晩餐会に参加し、そう日系社会に敬意を表した。戦後“日本人街”として発展してきたサンパウロ市リベルダーデ区の中心リベルダーデ広場。昨年の7月18日に同市長の署名を以って「リベルダーデ日本広場」と改名した。それを感謝するためにACALはニッケイ・パラセ・ホテルで晩餐会を催し、同市長を表彰した。
日系社会の文化的な中心地として親しまれているリベルダーデ区。その中心にあるのが、昨年改名した広場だ。
90年代以降、中国人や韓国人が急増して名実共に「東洋街」になりつつある中、「日本移民が築き上げてきた歴史を、せめて名前に残したい」との改名案が一昨年5月頃に浮上し、昨年7月18日に悲願が達成した。
池崎会長は、広場の改名について「日系社会の中心でありシンボルとして、広場の名前に日本を入れたいと長い間思っていた」と積年の思いを語った。「広場の名称変更は日系社会に大きな名誉を与えた」と強調。その名に恥じないよう、リベルダーデ地区をサンパウロ市の模範的な地区とし、住民と団結して活性化させていくと誓った。
コバス市長は、表彰を受けたことに謝辞を述べ、「日系人がここブラジルに移住してから111年の間、子孫のために献身的に働き国に尽くしてきたことは、サンパウロ市民の共通認識だ」と手放しで称賛した。
日系人が社会のあらゆる分野で活躍している事を例に挙げ、「移民だった日系人が、今ではブラジル社会と完璧に統合を果たしたことを示している」と讃えた。長年リベルダーデを活性化させ続けたことに感謝し、「この素晴らしい協力関係が、サンパウロ市に多くの成果を生むと確信している」との期待を述べた。
ジョルナル・ニッパキ紙の取材に対し、同市長は顕彰を受けて光栄だとし「市に偉業を示し、期待に応え続けてくれた日系人の活躍を見直す機会だった」と語った。
同会には、日系団体の代表者らや、楠彰在聖首席領事、国際関係課のルイス・アウヴァロ・デ・メネゼス氏、野村アウレリオサンパウロ市議、羽藤ジョージサンパウロ市議が参加し、共に喜びを分かち合った。