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ブラジル経済=11週連続で成長率下方修正=「不況再来」を語る専門家も

 隣国アルゼンチンの経済危機や、1月末にミナス州ブルマジーニョで発生したVale社の鉱滓ダム決壊事故に伴う鉱山採掘部門の減産、社会保障制度改革にてこずるボルソナロ政権などを目の当たりにし、企業家も消費者も景気の先行きを楽観視できない中、経済専門家の間では、今年も大きな経済成長は期待できないとの見方が主流になりつつあると13日付ブラジル紙が報じた。
 ブラジル中銀が同日朝に発表した最新の週次経済指標予測集フォーカスによると、ブラジルの今年のGDP成長率予測は1・45%に、11週連続で下方修正された。
 16年末で統計上の不況が止まった時点では、「17年は横ばい、18~19年で飛躍」といった青写真が描かれたが、今はそれを信じる人々も少なく、「景気後退の再来もありうる」と語る専門家もいる。
 投資顧問会社XPインベスチメント社の主席エコノミスト、ゼイナ・ラチフ氏は、今年第1四半期の工業生産が2・2%ダウンした事を特に心配している。同氏は、「14年半ばから16年末まで続いた大型不況の前も、工業生産が最初に落ち込んだ。工業が落ちるとサービス業も引っ張られて落ちる」と語った。同氏は、レアル安なのに、自国で製造できる品物を輸入に頼る傾向があるとし、何か重大な構造的欠陥があって競争力が落ちているのではと懸念する。
 元中銀総裁のアフォンソ・セルソ・パストーレ氏は、「現状は非常に悪い。景気は期待よりずっと低い水準で停滞しており、上がる見込みは少ない」としている。